糖尿病の原因には
インスリンの分泌が少なくなる「インスリン分泌不全」と
インスリンが分泌されていても
正常に働かなくなる「インスリン抵抗性」があります


すい臓で作りだされる「インスリン」というホルモンは、食事や運動をしても血糖を正常範囲にコントロールする役割をしています。しかし糖尿病の場合、すい臓の働きに問題がありインスリンの作用が十分でないため、血糖値の高い状態が続きます。

糖尿病には主に1型糖尿病2型糖尿病があります。

● 1型糖尿病

1型糖尿病はインスリンをつくっているすい臓のβ細胞が自分自身の免疫システムによって破壊され、すい臓が機能しなくなることが原因で発症します。1型糖尿病には、1週間前後で急激に血糖値が非常に高くなったり尿ケトン体陽性となる「劇症1型糖尿病」や、数年かけてゆっくりとインスリン分泌が低下していく「緩徐進行1型糖尿病」など特殊なタイプがあります。

● 2型糖尿病

2型糖尿病の場合、インスリンの働きが弱くなる、インスリンの働きを阻害する物質が出る、といった複数の遺伝因子に、食べ過ぎや運動不足といった環境因子が加わることで発症します。遺伝因子とは、両親や兄弟が糖尿病であるなどの家族歴がある”糖尿病になりやすい”体質のことで、環境因子とは、肥満、過食、暴飲暴食、運動不足、ストレス、喫煙や加齢などです。これらの因子が重なると、やがて糖尿病を発症すると考えられています。2型糖尿病は加齢とともに増加し、日本の糖尿病患者の約95%が2型糖尿病といわれています。

【 健康な人と糖尿病患者 1日のインスリン分泌の変化 】

健康な人と糖尿病患者 1日のインスリン分泌の変化

健康な人は常に微量のインスリンがすい臓から分泌され続けており(基礎分泌)、食事などで血糖値が上がるとすぐにインスリン量が増えます(追加分泌)。これにより、健康な人のインスリン値は一定の範囲に保たれています。